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降りしきる雨の中。
ヘリコプターが教会の近くに一機着陸し、扉が開く。
そこから出てきたのは、篤史だった。
(肆希を止めに来たが……遅かったか……)
篤史はうつむいた海斐と、海斐の腕の中にいる神威を見つめ、心の中で呟く。
由亜を失い、気づかされた。
由亜や神威達は愛しい者を守ろうとしていたことを。
それにようやく気づき、肆希を連れ戻しに来たが、壱覇と弐奈、そして神威は息絶えていた。
と、海斐が顔を上げたため、篤史は驚いた。
(彼女は無事だったか……)
しかし海斐の体はボロボロで、出血もひどい。
もう少しでその命は潰えてしまいそうだ。
しかし、海斐はフラつきながらも篤史の元に歩いていき、彼の胸ぐらを掴んだ。
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