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長い間、自分は眠っていた。
体の重さがそれを伝える。
海斐はゆっくりと目を覚ました。
視界には白い天井と布団。
心電図の音が聞こえ、腕には点滴の針が刺さっていた。
(私……病院に運ばれたんだ……)
意識がまだぼんやりとしている。
思考も上手く働かない。
(なんだろ……右手があったかいな……)
そう思った、その時――
「……海斐」
名前を呼ばれた。
その声が、海斐の意識を完全に覚醒させた。
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