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右に顔を向けると、闇色の髪の少年が椅子に座り、海斐の右手を包み込むように握っていた。
彼の紅い目は優しい光を宿し、海斐を見つめている。
「かむ、い……?」
海斐が呟く。
それに対し、少年は微笑んだ。
「そうだよ、海斐……」
「……っ……!」
海斐は体を起こし、泣きながら神威を抱きしめる。
「戻ってきてくれたんだね……!神威……!」
「うん……。ただいま……」
神威も海斐の背に腕を回す。
海斐は神威の温もりを感じられることが、ただ嬉しかった。
「……神威。もう約束破らないでね……?」
「うん……」
神威は頷き、そっと海斐にキスをした。
「ずっと一緒……。僕は海斐の傍にいるよ……」
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