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アジトに着いて飛段と別れた後、いつものように真っ先に旦那の部屋へ向かった
愛しい旦那。オレだけの旦那。
ドアを開けた瞬間、旦那の拳がオレの右頬に入る
オレの身体は壁まで吹っ飛んだ
殴られた頬を押さえてそのままそこに座り込んだ
一発目から容赦ねーな
「誰と何処に言ってやがった。答えろ」
顔は何も浮かべず無表情のままだが、旦那の鳶色の目には怒りがこもっている
オレに近付くと襟ぐりを掴んで無理矢理立たせた
「先に部屋の中に…」
「待たされんのは嫌いだ。答えろ」
「飛段とデートに行ってた…うん」
みぞおちを殴られた
気絶しないように加減はしてあるみたいだが、痛いことに変わりはない
ったく、オレじゃなかったら喧嘩になってんぞ
…いや、旦那はオレ以外にはこんなことしねーか
「勝手なことをするんじゃねェ」
旦那は冷たい雰囲気を纏って言い放つ
だけどオレは見逃さなかった。
デートと言ったとき、旦那の顔が一瞬苦しげに歪んだことを。
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