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旦那がオレのことで表情を変えている
それが凄く気持ちよくて可笑しくて…オレは喉の奥で笑った
「なにを笑ってやがる…」
「ククク…赤砂のサソリともあろう方が、嫉妬してるのかい?」
「…うるせェ…っ!」
今度ははっきりと怒りの表情を浮かべる
年下のオレに思考を読まれたことが屈辱的なんだろう
身体の何箇所かに痛みを感じた。
口の中に鉄の味が広がる
普段あまり感情を表に出さない旦那が、オレに対して感情を剥き出しにしていることが嬉しかった
今回、飛段と任務に行ったのも、このためだ
もう少し虐めてやろうかと思ったが、身体が限界のようだ
旦那の両手首を掴んで制止した
「これ以上やられると、いくらオイラでも死んじまうぜ…うん」
ピタリと動きを止めたかと思うと、旦那はオレの腕を掴んで傀儡だらけの部屋の中へ引きずり込み、ドアを閉めてベッドに座った
「キスしろ」
「…は?」
オレの空耳か?
今、聞こえるはずのない単語が聞こえた気がした
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