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「それで今日のことは許してやる」
なるほど、飛段とのデート効果は絶大だったようだ
旦那は人一倍独占欲が強いからな…
"飴"を与えて自分に縛りつけておくというわけだ
「そいじゃ、遠慮なく…」
旦那の冷たい唇に自分のそれを重ね合わせる
徐々に深くしていき、舌を絡めとった
「…んぅ…ふ…」
空気を求めて喘ぐ旦那はとても魅力的だった
ずっとその姿を見ていたくて暫く続けていたが、いい加減にしろと言わんばかりに舌を噛まれて止めてしまった
「いてっ…そりゃないぜ、旦那」
「テメェが長すぎんだよ…」
顔を背けられていたから旦那の表情は見えなかったが、照れているのかもしれないと思うと愛しく見えてしかたなかった
そんな旦那にそろそろ真実を言ってやろうか。隣に腰掛けた
「旦那の気がすんだとこでいうけどよ、実は、デートってのは嘘だ」
旦那はオレの顔を少しの間見てから頬に平手打ちした
「"物"の分際で嘘をつくな。次はないと思え」
「クク…あんたにオレは殺せねェ。そうだろ…うん?」
「……フン」
あんたは気付いてないだろう。
オレのことを"物"ではなく"者"として見ていることに。
傷付けているつもりが、傷付けられていることに。
独占しているつもりが、自らもそれに縛りつけられていることに。
それに気付いたとき、どんな反応をするのか凄く楽しみだ
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