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――まだ旦那は起きてねェのか
サソリが眠っているベッドの側まで行き、めくり上げようと布団を片手で掴む
だが、サソリが布団を身体に巻き付けているためになかなかめくれない
両手でしっかりと布団の端を掴み直し力いっぱい引っ張って剥ぎ取った
俯せになっている相方を見てデイダラは盛大な溜息をつく
「もう昼だぞ。いつまで寝て…」
思わず言葉を止めてしまった
と、いうのもサソリが殺気を放ちながらユラリとベッドの上に立ち上がったからだ
射殺されそうな鋭い眼光で睨みつけられ、デイダラの背中に冷や汗が流れた
「久々の休みだってのに、睡眠の邪魔しやがって…」
「で、でも旦那は傀儡だし睡眠時間なんて関係ねェだろ?」
必死に弁解をするデイダラだが、サソリはまるで聞こえていないかのように言葉を続ける
「テメーは殺されてェのか?ああ、そうか。オレのコレクションにされたいんだろ」
喉の奥でクツクツとサソリは笑うが、その目は据わっている
ベッドの枕元に置いてあった巻物を持つと、"三"の漢字が全て見えるぐらいまで広げた
身の危険を感じたデイダラは左右の袋に手を入れて起爆粘土を取り出そうとするが…
「ない!?オイラの粘土がない!」
いつもはあるはずの粘土が今日は偶々入れ忘れていたのだ
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