泡沫の恋

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サソリは単独任務を終え、たった今、暁のアジトに戻ってきた 今日の任務は身軽さが必要だったため、サソリは本来の姿(といってもそれすら傀儡だが)だった 自分の部屋へ戻り、趣味の傀儡の改造に没頭しようと歩みを進めていると その横を腕を組んでいるデイダラとイタチが通りかかった 「なあ、イタチ」 「なんだ?」 「好きだぜ。愛してる」 デイダラはうっとりとした目でイタチを見つめる イタチはそれに答えるように普段は見せない柔らかい微笑を浮かべるて一言「わかっている」と言った 二人のやり取りをすれ違いざまに聞いていたサソリは急に苛立ち、胸の中に黒いものが渦巻いたことを感じた。 …またこれかとサソリは思う 自分は傀儡だ。人形となり、人も心も両方捨てたのだ。それなのに…なんだ、この感情は…。 デイダラとイタチの二人の足音が聞こえなくなった後、サソリの苛立ちは頂点に達して一度強く壁を殴った 核の辺りを片手でギュッと握り、壁にもたれ掛かるとそのままズルズルと座り込んだ 胸が苦しい…痛い。切なくて、悲しくて。サソリにはどうすることもできなかった
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