短編集

言葉とは裏腹に ＊財前光＊

あぁ……どうしてやろ…。
めっちゃ怜奈の事好きなのに…

「財前君、お疲れ様！」

「…別に疲れてへんし。」

どうしてこないに冷たい態度しかとれへんのやろ。

怜奈がいくら優しいからって…

ホンマは怜奈の事、大切で大切で…大事にしたいと思っとんのに。

「ふふ…財前君らしいね。」

…どうして……どうして怜奈は……。

「んなもんお前のことが好きやからに決まっとるやろ。」

「なっ？！」

「お前の考えとることはわかりやすすぎや。」

そう変態……いや、部長が言った。

それがホンマなんか確かめたくて…俺は帰りに怜奈に聞くことにした。

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「なぁ、怜奈。」

「どうしたの？」

「…俺、怜奈に冷たくしとるやろ？…何も思わへんの？」

「…そりゃあ、冷たくされて何とも思わない訳ではないよ。でも、私は財前君のそういう所を好きになったから。」

…あぁ、そういや怜奈は俺の全てが好きや言うてたな…

俺はそれを聞いて、こいつを好きになって良かったと思った。

「…な、俺…冷たい態度しか取れへんけど……。」

俺はそこまで言って一度言葉を止める。

「……めっちゃ愛してんねん、お前の事…。せやから…。」

「うん、分かってる。財前君の事、嫌いになったりしないから、心配しないで？」

やっぱり、こいつを好きになって良かったわ…

これからは、少しくらい怜奈に優しゅうしたるようにしよう。

いくら大丈夫言われても、怜奈は『特別』やから。

(なぁ、)(何？)(好きやで。愛しとる)(…分かってるよ。私も…愛してる)