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「んん……ふぁ…!」
「んふっ、可愛いですね、怜奈は……。」
涙目の怜奈を見ると、観月は小さく笑った。
そして、離したばかりの唇をもう一度怜奈の唇につけようとしたが。
「観月さん?まってても中々来ないから皆心配してー……」
裕太が入ってきたので、寸止めの所で止まった。
裕太はと言えば、部室内の光景をみて体を固まらせていた。
「え…あの…、すみませんでしたっ!!」
裕太は顔を真っ赤にして謝ると、扉を思い切り閉めて走っていった。
怜奈はそんな裕太を見てから、顔を赤くさせて観月のことを見つめた。
「……んふっ…。これは予想外でしたね……。」
「…だから言ったのに…。」
怜奈は呆れた様に言うと、崩れていた制服を直して机から降りた。
流石に観月も萎えたようで、再び怜奈を押し倒す、ということはしなかった。
「今度ここでする時は、ちゃんと鍵掛けてよ。…あんまりしたくはないけど…。」
「…わかってますよ…。」
観月はそう言った後、溜息をついて髪をいじった。
そしてその次の日から、部室に鍵が掛かっていて部室に入ることができないということがしばしばあったという。
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