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「あのな。どう言ったら信用してもらえる?俺はお前の神官長になるよ。今まで、俺を護ってくれてた義理もある。何より俺はお前の事、結構嫌いじゃないぞ?まあ、交尾の件は別にしてな。」
俺は大人しく味噌汁を啜り始めた奴に声を掛けた。すると奴も、やっと腹を割ったのか、ポツリと本音らしき言葉を漏らし始める。
「俺はお前をそう言う対象で見てる。近くに居てほしい。触れてみたい。お前はそんな奴の近くに居て平気なのか?」
「うーん。平気かどうかと言われたら微妙かな。でもなー。お前って絶対、俺の嫌がる事しそうに無いんだよな。たまーに色んな意味で怖い事はあるけど。まあその辺りも、最終兵器、御狸様がいらっしゃるからな。」
こいつが師匠とか呼んでいる狸は、神様の中でも更に偉い神様で、俺とこいつを引き合わせたと言うか、罠にはまったと言うか、ともかく俺が神官長になる切っ掛けを作った人物(?)で、何かと俺の事を気に掛けてくれている。こいつと付き合ってほしいが、強引に事を運ぶ様なら、ありとあらゆる手段を使って止めに来る事が目に見えているので、俺は安心している。
「あの狸め……。」
「お前ってさ、本当は狸嫌いなのか?と思う事がある。」
それぐらい不穏な空気を漂わせている。
「嫌い?好きに見えるか?」
「そうきたか。話し戻すぞ。で、俺の家に来るの?」
奴はその時、今まで見た事が無い変な顔をした。
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