竹春 桔梗と言う存在

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   「…………お前の色に染まるのも悪くない。」     「…………お前は俺の嫁にでもなるのか。じゃあ俺の家に来るんだな?でも勿体ないよなー此処。それにあの本どうする?俺の家には入り切らないぜ?」     自慢じゃないが、俺の家も本が溢れてる。コイツに与える部屋を一室作るのに、本、どうしようかなー。俺が考えていると、奴から提案してきた。     「此処は図書館館長の所有図書館にするのはどうだ?管理はお前の好きにしたら良い。俺の居候代金の代わりだ。食費と実費は別に払うがな。」     「お。お前にしたらまともな意見だな。よし!その案採用!因みに食費は狸から貰ったカードで賄うから良い。公共費は……まあ……お前一人分ぐらい大して変わらないから良いや。」     俺は手を差し伸べる。     「何はともあれ、宜しくな!竹春桔梗。」     「此方こそ。月草八朔。」     桔梗は俺の手を取ると、恭しく、口を付けた。     「!!!止めろってのっっっ!てか、手ぇ離せっっ!」     桔梗は手を握ったまま、上目遣いで俺を見る。  ~~~~何でこんなに男前なんだっ?!女性じゃなくても、焦るだろっっ!    「秋穂神 桔梗が任ずる。月草八朔を最良の伴侶、神官長とする。」      パンッ!と、頭の中で何かが弾けた音がした。それと同時に何かの知識が大量に流れ込む。………これは………神官長としての知識か?      「これでお前は俺の神官長だ。」     桔梗の瞳が茜色に光る。     「三帝とかに任命されないと駄目なんじゃ……。」     「関係無い。あいつ等が命ずるのはあくまでも任命だ。決めるのは俺自身。俺はお前以外の色に染まるつもりは無い。勿論、お前を俺以外に染まらせるつもりも無い。忘れるな。お前の相手は俺だ。」     「…………。スゲー自信だな。そんな事言って良いのか?おやつ抜きにするぞ。」     あんまりにも桔梗が真剣でだったので、俺は何だか嬉しい反面、悲しくなった。………そんなに必死にならなくても良いのにな。  俺は桔梗の手を解くと、冷蔵庫に向かった。
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