竹春 桔梗と言う存在

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   「おお………。」     奴に言われて通された部屋(部屋と言っても普通の家の一軒分はあるでかさ。)には、国宝物の書物やら巻絵やら、絵草紙やら、国内外を問わず転がっていた。が。     「お前っっ!!何でこんな乱雑なんだよっっ!!過去の賢人達を敬えっ!尊べっっ!何で竹取物語の隣に、ファウスト?そして何でその隣が、論語?……………時代もジャンルも滅茶苦茶じゃねえかっっ!!」     「適当に読んでいるからな。そして読んだら適当に戻している。………それに、ここにある本は表に出す訳にはいかない。解るだろ?」     「それはそうだけど………。」     確かに、此処にある全ての物は原文、その時代に書かれた物ばかりだ。万が一、世間にこの事が漏れたら………。     「……そうは言っても、作者から貰ったり、書いてる横で写していたと言っても誰も信用しないだろうがな。好きなだけ見ろ。但し、このフロアーから持ち出す事は出来ない。」     「…………それじゃあお前の思い通りじゃねえか。」     俺が奴を睨むと、奴はしたり顔で言った。     「だから言ったろ?」     何だか頭にきたので、奴のみぞおち付近に、蹴りを入れた(勿論避けられたが。)   
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