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「さて、次の場所に行くとするかの」
そそくさと掃除道具をまとめて歩き出した老人の後をついて行った。
しばらく行くと、変な臭いがしてくる。
老人の表情も険しくなった。
「ああっ! やはりな…」
角を曲がると、洞窟の中は汚れ放題だった。
「キノコもほったらかしじゃ…」
「早く取らんと大変じゃ」
見ると、キノコはさっき老人が食べてたものより、はるかに大きく、くすんだ灰色をしていた。
あたふた狼狽[ろうばい]した老人が、キノコを取ろうとした、その時…
「こらぁ! ジジィまだ採るんじゃねぇ」
誰かが、大声で叫んだ。
その声がそう広くない洞窟の中、意外と微妙に反響した。
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