26歳で死んだ男

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昼が過ぎた。 一人の客がやってくる。 なかなか良いガタイで、歩き方も洋服も様になってる。 一瞬身内か、奥の客かと思ったが、見たことない顔だ。 ここがスパゲッティ屋の看板を掲げている以上普通の客ももちろん来る。 ただ事情を知ってるこの辺りに住んでるやつらは来ない。 バカな観光客がたまにやってくることはある。 でも大抵はイカレた奴らだ。そうとしか俺には思えない。 なぜならこんな小汚い店をわざわざ選ぶ理由がない。 別段害がなければ店に入るのは自由だ。 ただ奥の部屋には通さねぇ。 たまにトイレと間違えて、あるいはわざと間違えたフリをして奥の部屋の扉に手をかけるやつ がいる。 そーゆーやつはぶっ飛ばす。 楽な仕事だ。 .
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