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「何だ!わっかんねーよ!きこえねーんだ!」
俺は少しでも聞こえるように、
聞こえないってことをジェスチャーでネルソンに伝えるために、
自分の耳に手を当てる。
そこに耳はなかった。
もうどこからどこまでが自分の血で、どれが誰の血なのかさえ分からない。混ざり合う。
ネルソンがまた口を動かす。叫んでいるのかもしれなかった。
涙が出てくる。
「耳がねーんだよ、ついてねーんだ、聞こえねーんだよ。」
ネルソンがゆっくり口を動かしてくれた。
もうゆっくりとしか動かせないのかもしれない。
アル コール ヒガ ツク
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