*story 1

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雨が降り続く。 そんな中・・・呆然と立ち尽くす人がいた。 小さい・・・女の子? 「なぁ?どうしたんだ?」 「ぅ?」 ビクリと身体を震わせ、光を失ったような瞳でオレを見てくる。 ────可愛い。 初めて会った子に可愛いなんて、惚れたかな? 「キミ、名前は?」 「・・・な?」 ・・・おかしい。 とりあえず、家に連れて帰るか。 「おいで。」 「・・・。」 ゆっくり手を伸ばせば、黙ってオレの所に来る。 ホントに可愛い。 オレの腕の中にすっぽりと収まってしまう。 とても小さくて細かった。ちょっとでも力を加えると折れてしまいそうなほど。 「帰ろうか?」 雨が降り続く日のこと。 オレは拾い物をした。 小さく可愛い子。 .
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