ひねくれ者

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アスファルトに咲く 一輪の花 それがキレイだと 誰かさんは言った なんだか嫌になって 花を支える アスファルトの方が 美しいと言ってやった ある時は 野球少年が流す たくさんの汗が ダイヤモンドのようだと 誰かさんは言った それがなんだ 流れる汗だって 必死なんだと 教えてやった こんな時もあった 沈む夕日が暖かいと 呟いた誰かさん それはそうだと思ったが 悔しいから 太陽は疲れたから 光を弱めただけなんだと 抵抗してみた 僕はひねくれ者 ひねくれ者の横を歩く 誰かさんは ひねくれ者を ひねくれてると 決して言わない だから せっかくひねくれても ひねくれ甲斐がない 明日もまた ひねくれてやろうと 試行錯誤してみる なに考えてるの?と 誰かさんは聞くけれど 教えるもんか 無言のひねくれ者を 後ろから抱きしめる 誰かさん この時ばかりは ひねくれ者も 素直でいるしか 仕方がない
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