私と旅人

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私は喫茶店で働いている。 私が高等教育を受けていた頃からだから、歳を明かすつもりはないが、とにかく喫茶店での仕事はもう相当長いのだ。 そんな私にはどうしても気になる人がいた。 彼はいつも毎日欠かさず店にきては、コーヒーだけを頼んで、店の一角を占領する。 店はそれほど込み合わないので、さほどの迷惑ではないが、(あるいはそうと知っているからこそなのかもしれない!そう考えると少し悲しくなるのだが)疑問は一日中彼は此処で一体何をしているのだということだ。 彼が来るようになって一年程が経ち、どうしても気になってしようがなかった私は、遂に彼との接触を試みることにした。
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