プロローグ

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俺は青山夏彦。江北高校に通う高校一年生だ。 六歳の夏に両親と妹を亡くした。それからは近くに住んでいた父方の祖父母と生活してきた。 しかし、その祖父母も十五歳の春に亡くなってしまった。 以来祖父母の家に一人で住んでいる。一人で住むには広すぎる一軒家だったが、両親と妹の遺品や祖父母との思い出のつまった家だから引っ越せなかった。 祖父母は生命保険に入っていたため、高校を卒業できるだけの金はあったがじっとなどしていられなかった。 じっといていたら、悲しみに耐えられなくなる。
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