2章。悪戯な手紙(開始)

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三日後 とある塾 「ってことで直哉と文通したいんだとよ」 休憩時間に特進クラスにきた太一は目の前に座っている直哉に事のなりゆきをはなした。もちろん名前は伏せてある。 「んーまぁ文通だけなら昨日彼女とも別れたし・・・」 少し元気がないようだ。 ちなみに直哉は中学ではなかなかの男前で誰にでも優しく信頼されており、別れた話を聞くと女の子が目を光らせるくらいなのだ。 「・・・なんかひっかかるな」  突然隣の席から声がする。 「??なんでだよ隆志」 隆志とよばれた美男子の彼はこちらを向き直して顔をしかめる。 「いきなり顔みてこれなんてありえんだろ・・・そりゃ直哉に対してならあり得るはなしだが・・・どうも変だ。」 「・・・確かに。」 改めて考えると隆志の言い分はごもっともだ。  「・・・太一悪いけどその話のれないや」  「ごめん」と手を合わせ隆志とバイクの話で盛り上がりだした。 「あぁわかったよ。俺からいいように断わっとくわ」 太一は特進クラスを出ながら直哉に叫ぶ。 「悪い頼むわ」 直哉はもう一度手をあわせ太一をみた。 コト、コト、コト 「あいつらになんて言お・・・」 階段を降りながら太一はため息まじりに呟き自分のクラスへ入っていった。
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