文化祭に向けて

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………。     しばらく嫌な沈黙が続いていた。 どれくらい黙って歩いたかわからない。 もう家が見えてきてしまった。   ご存知の通り、俺と楓の家は隣同士。 学校側からだと俺ん家の方が手前になる。   『じゃあな、楓。また明日。その…キスシーンの件だけど、んと……その……。』   『や、やっぱり恥ずかしいよね…。ははっ…、あたしったら佑君となら場所なんて何処でも良いかなとか思っちゃったけど、やっぱそうだよね。友達や先生の前じゃ幾ら演技でも出来ないよね…。』   俺は言葉が出なかった。   『じゃあね、佑君。また明日。』   『あぁ……。』   楓は気持ちは一体何なんだろうか…。 やっぱりしたかったのかな…。   『あぁ!もう!なんなんだ!』   なんだかイライラしていた。 それは楓にじゃなくて、はっきりとしない自分の気持ちに苛立ってきた。
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