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「・・・よぉ」
「お、良平じゃないか。
お前も懲りねぇなあ」
桜井はドームの前に来ていた。
門人の男とはもう知り合いになっていた。
何10回も参加していれば、
知り合いにもなるよな。
桜井はそう考えていた。
「今回はどうだ?
勝てそうか?」
うっすら口角を上げてニヤリと笑いながら尋ねてくる門人。
桜井はきっぱりと言った。
「当然だろ。
去年は油断しただけだ。」
心の中で笑った。
そうだ、俺が負けるわけがない。
「はは、そうか。
頑張れよ」
おう、とだけ言って
開けられた門から中に入った。
今年も奴は必ず参加してくる。
覚悟しとけよ。
桜井は怪しく笑いながら
薄暗い廊下を歩いていった。
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