ゲームスタート

5/6
前へ
/6ページ
次へ
重そうな扉の前に 桜井は立っていた。 この中が選手控え室。 しんと静まり返った廊下には 桜井一人しかいない。 扉に手を伸ばし、 静かに開いた。 扉がゆっくり開くと 中からどよめきの声が聞こえた。 「うわ、桜井だ・・・  桜井良平だ・・・」 「今年も参加かよ・・  俺、死ぬかもな」 そんな声が次々と聞こえる。 うるさい奴らだ。 こんな奴らに俺が負けるわけがない。 そんなことを考えていると、一人の男がこちらに近寄ってきた。 「あの・・  桜井良平さん、ですよね?」 「?」 見たことのない顔だ。 なぜ俺に話し掛けてくる? 「僕、中澤弘司っていいます!  桜井さんの大ファンです!!」 何を言っているんだ、こいつ。 俺のファンだと? 桜井は不敵に笑った。 _
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加