第三章

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私の胸のなかに密かに灯った憧れの明かりは今や体じゅうで炎上してしまい、 少しのことでも嫉妬心に燃え移ってしまう。 だから当分の間はこうして涙で恋を消火しなければならない。 いつか涙で恋の炎が消えるまで幾多となく泣かなければならないってこと。 私に残された道はもうこれしかないような気がした。 泣き疲れてだるくなり、 ようやく呼吸も落ち着いた頃 漠然とこなければよかったと思っていた。 今夜、改めて現実を見せ付けられたみたいだった。
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