第一章

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「もうすぐ最後の合宿だね」 「最初の年こそ辛かったけど今年が最後ってさみしいね」 たわいもない会話なのに彼女の口から発せられるとたちまち美しく聞こえる。 これだから私の恋はまだまだ現在進行中、 いや加速中とでもいうべきか。 ただ単に彼女が横を通っただけで残り香を肺いっぱいに吸ってしまうし、 彼女と一瞬でも目が合えば一日がそれだけで幸せになってしまう。 そんな自分に気付けば自分を変態だと責めてしまう。 しかしそれとは裏腹に 私の想いはひたすら日を追うごとに積もりかさなってゆく。
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