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朝7:30
いつもの様に痛みを訴える体を無理矢理に起こしてクローゼットへ。
昨日汚れを取った学ランを着て、教科書を詰めこんで、ゆっくり階段を降りる。
『おはよう』
いつもの様に母が1番に挨拶をする。
「おはよう」と挨拶を返そうとした時…
母が顔色を変えて言った。
『ちょっと!何て格好をしてんの!?』
「は…?何って学ランだょ」
何処もおかしくはない筈だ。
しかし母からの言葉は意外な言葉だった。
「馬鹿!学ランは女の子が着るものでしょ!!」
(何ぃ…!?)
頭が混乱した。
何を言ってるのか分からない。
「母さん…寝てないの?」
『しっかり寝たわ』
「じゃあ何で寝惚けてんだよ!」
『アンタが寝惚けてんの!』
『どうした…朝から…』
言い合っていると父が来た。
「父さん、母さんが馬鹿なこ…とを…」
そう言って言葉が詰まった。
今の父の姿を見て。
ヒラヒラ…
普段母がお気に入りで履いているスカート。
今それを履いているのは…父。
『おぃ真散、それ学ランじゃないか。何で着てんだ?』
「何でって…」
『お前はセーラーを着る筈だろ?』
「えっ…?えっ…??」
(何が…起こったんだ?)
いきなりの事の連続で倒れそうになった。
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