28人が本棚に入れています
本棚に追加
何とか眠れた様だ。
時計は寝る前より3時間程過ぎていた。
ベッドから出て下に降りると母が居た。
朝は言い合いでよく見なかったが、母が履いているズボンは男モノだった。
(覚めてない…)
あの悪夢が現実だと知らされる。
『起きたの?』
「…ぅん」
『そぅ、さっきアンタの制服を頼んだからね』
「それって…セーラー?」
『当たり前ょ。男でしょ?』
「そぅ…ごめん、もう一回寝るょ」
ゆっくりとした足取りで階段を上がり、ベッドには行かずに床に座り込む。
「はぁ…」
溜め息が出た。
「俺が願ったからなんだろうか…」
女になりたいと。
しかしこの中途半端な変わり方は嫌だ。
でも…
「もしかしたら…もぅいじめられないかも」
こんな時にそんな事を思うのは変だと思ったが楽になれると思ったら嬉しく感じた。
(良いかもしんないな…)
「明日は…学校に行ってみるか」
とりあえず今日はゆっくり休んで頭を整理しなくては。
一生戻れないかもしれない、これからの為に。
最初のコメントを投稿しよう!