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帰宅した俺は、優美が居ないことに気付いた。
まさかまだ寝ているのか、と思い自室に戻る。
部屋のドアを開けると優美はいた。
しかし、
「……何してんですか……」
「掃除だよ?」
本棚を整理している優美は、おかえり、と付け加えて微笑んだ。
勉強道具に荒れていた机は綺麗になり、ゴミもきちんと纏められていた。
ベッドの布団も外に干しているようだ。
ん……ベッド……だと……。
「まさかっ!」
「いかがわしい本なら全部燃やしたよ」
さながら天使が微笑むように、柔らかな満面の笑みを見せてくれた。
「晴彦さんがあんな本ばかり読んでいるなんて……」
「彼女いない男なら普通です!」
泣きたくなってきた。
恥ずかしさに顔が熱くなり、ついでに目頭も熱い。
「しかも、少女を部屋に閉じ込めるものばっかり」
「いやいやいやいや! そんなの入れてないから!」
全くもって入れていない。
話題を逸らすべく、俺は考える。
「あれ、ご飯食べた?」
「食材が無かったので」
申し訳ない気持ちで一杯になった。
俺はさっき買った食材を手に、キッチンへと向かった。
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