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紫苑は続ける。
「早速で悪いんですが、今から桜北公園のベンチに来てもらえますか?」
「はい、全然いいです!!」
「よかった。それじゃあお先に待ってますね」
プツッ・・・・
プープープープー・・・・
電話が切れるのを確認した暁音は携帯を閉じて、早速身支度を始めた。
彼氏でもないけど、やっぱり年頃の男の子と会うんだからある程度は粧していかないと・・・・
と、日頃あまり気にしない私服選びから力を入れる暁音だった・・・・
――――――――――――
夜7:00 桜北公園
ここは夜になるとカップルで溢れ返ることで有名な公園だが、そんなことは知るはずも無い紫苑とその飼い犬のブレイズ。
ただ暁音をベンチに座って待ち続けていた。
「暁音さん、遅いですね」
と、ブレイズを撫でる。
「ったく男を待たせるなよ」
ブレイズは目を吊り上げるような顔をする。
「それは、違うでしょ」
女の子を待たせたらいけないんですよ、とブレイズの文句に苦笑いを浮かべる紫苑。
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