第二巻

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「まぁだから妖怪にもとり憑かれてしまうのかもしれませんね」 苦笑いを浮かべる紫苑。 それを聞いた暁音は思い出したかのように息を吐き出した。 「そうだ・・・・ この間紫苑さんは私から何かを吸い取りましたよね? やっぱりあれって妖怪の類いなんですか?」 心配そうな目付きで紫苑を見つめる暁音。 「えぇ、そうです。しかも結構危険なものがね」 ハハハ、と笑い飛ばすようにする紫苑。 「わ、笑い事じゃないですよ!! 私、何か悪いことでもしたのかな・・・・?」 「それは違います。妖怪や霊が人にとり憑くのはもっと簡単な理由です」 と、人差し指を立てる紫苑。 「暇なんですよ。彼らも」 あっけらかんと言い放ったその言葉に暁音までもあっけらかんとしてしまう。 「・・・・いたずらってこと?」 「さすが暁音さん。その通りです」 あなただって、一人でいるとき暇だったら友達に電話とかするでしょう? それと一緒ですよ。 と、紫苑は暁音の携帯が入っている右ポケットを指差した。
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