第一巻

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「え・・・ なんで画面真っ暗なの・・・・?」 咄嗟に電源ボタンを押したり離したりする。 彼女は気をとられて“その”存在に気付かなかった。 「あの、すいません」 「ヒャッッ!?」 不意に後ろから声をかけられ、驚きのあまり携帯を落としてしまう。 振り替える前にすぐに逃げよう!! という考えが浮かんだが、少し不審者とは違う雰囲気に思わず後ろを振り返ってしまう。 そして、声の主は続けざまにこう言った。 「すいません、あなたヤバいですよ?」 「・・・・」 真夜中に、声をかけるなんてどんな奴かと思えば、案外普通にイケメンな同い年っぽい感じだったので拍子抜けしてしまう。 犬を連れているのは散歩しているからだろうか。 こんな時間に? まぁどっちにせよさっきの発言内容も含め、ただの気違いと称されても仕方の無い。
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