第一巻

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無視はさすがに可哀想なので話は聞いてやることにした。 「な、なにがヤバイんですか?」 青年はそれを聞くと少し間を置いて穏やかだった表情を変えた。 「えぇっと・・・・率直に言うとあなた自身の命・・・・ですかね?」 (あぁ、これややこしい人に絡まれちゃったな。 ここは一つ適当にごまかして・・・・) 「はぁ・・・・じゃあ気を付けて帰ります」 そういって彼女は踵を返して、そのまま道なりに歩いて・・・・ 行こうとしたが、それを青年の右手が阻んだ。 「え・・・・!?」 「冗談に・・・・見えましたか?」 青年の鋭い目が、彼女の瞳を捉える。 彼女は確信する。 彼は嘘をついていないと。
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