第四巻

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ギィー・・・・ 木製のドアを押すと同時に気が軋む音が響く。 そして、彼らはそのドアの向こう側に足を踏み入れた。 「ッ・・・・お洒落・・・・」 そこは、どこかのマンガに出てくる様な気品溢れる造りの廊下だった。 「どうです?思っていたのと違うでしょ?」 と、紫苑は話ながら歩みを進める。 置いていかれまいとしっかり後ろにしがみ付くようについていく暁音。 「ここの造りはその“お偉いさん”の趣味何ですか?」 「いや・・・・趣味というか・・・・生き様というか・・・・」 「性格だ」 ブレイズが鼻で笑うように言い捨てる。 「まぁ会って見ればわかるさ」 その時、前を歩いていた紫苑の足があるドアの前でピタリと止まった。 そして、くるりと暁音達の方を向いた。 「暁音さん。蝶ネクタイが歪んでます」 「え?・・・・あ、はい・・・・」 暁音はなぜそんな細かいことを気にするか分からなかったが、紫苑の指示に間違いは無いと悟り、僅かに歪んだ蝶ネクタイを正した。
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