第四巻

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「じゃ、早速挨拶がてら会い行きますか?」 よいしょっ、と紫苑は大きな扉を両手で押し開けた。 扉の向こうは、どこか怪しい雰囲気を放った全体的にくらい酒場の様な場所だった。 っていうか酒場だ。 そんなことを暁音が考えていると、何人かが暁音達に気付く。 「おっ、誰か帰ってきたぞ!!」 「紫苑だ!!しかも女の子付き!!」 ヒャッホーイッ!! 一人の紫苑と同じ年くらいの青年が走ってきた。 そして、暁音の顔のまん前で立ち止まると、顔だけを紫苑の方へ向けた。 「紫苑!!この子か??暁音ちゃんってのは!?」 「えぇ、そうですよ」 「あ、あの初めまして・・・・」 ペコリと暁音はその青年に頭を下げる。 それに、続きは青年も暁音に手を差し伸べる。 「俺は漢字で書くと『大嵐大地!!』 おーあらしだいちってゆうんだ!!よろしく!!」 そういって暁音の手を強引にとり、ブンブンと握手を交わした。 (大嵐大地・・・・・・・・ 性格と言い名前といいどこまでも激しい人だな・・・・) 暁音は、その整った大嵐の顔を見ながら苦笑いを浮かべた。
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