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「信じてくれますか?」
こくり、と首を一度だけ縦に振る彼女。
青年は彼女の瞳を捉えたまま離さない。
それはもはや拒ませないようにもするものだった。
「よかった。今ならまだ間に合うはず・・・・」
そういうと、青年は連れていた赤い犬をポンポンと撫でながら話し掛ける。
「ブレイズ。いけるかい?」
すると、その赤い犬はまるで人間の言葉を理解したように軽く頷いた。
更に、不思議なことはまだ終わらない。
なんとその赤い犬は急に飛び上がったかと思うと、そのまま淡い光に包まれ、縮小しながら吸い込まれるように青年の左目へと入っていった。
横からその光景を神妙な面持ちで眺める彼女は、もはやついていけないといった感じだった。
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