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「とにかく、まだまだ私自身も私自身を理解していません。私達5人は妖怪払いの傍ら、自分を見つけることもまた仕事なのです」
とまぁ大方はこんな感じですね、と紫苑は大きく肩からため息をついた。
そして、例のポケットバッグから一枚の細長い紙切れを取り出した。
「紫苑さん、それ・・・・?」
「これは呪符といって、妖怪の類のものを退ける効果のあるものです」
まぁ効果を発動する際には呪文が必要になりますが・・・・
と、紫苑はその呪符を暁音にそっと手渡した。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「えっ!?その呪文はなんて言えば・・・・?」
「あの・・・・忘れちゃいましたって言ったら怒ります?」
「はい」
「すいません。許してください」
紫苑は嫌な汗を拭い、深く頭を下げた。
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