第五巻

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それを側で聞いていた男と女は、ピクんとエサを見つけた犬のように暁音の方に目をやった。 まず初めに暁音に寄ってきたのは、すらりとした青年の方だった。 「君が、噂の東城暁音ちゃんか。俺はこの妖怪払いのリーダーを務めている《錦野 零時》にしきのれいじ、っていうもんだ」 零時とでも呼んでくれ、と微笑を浮かべて暁音に握手を求めた。 「こちらこそよろしくお願いします!!」 と二つ返事で挨拶と握手を交わす。 そして、今度は入れ替わるようにスラッとし、顔が整った女性が出てきた。 まぁ女性といっても歳は暁音と変わらないが。 「うちはたこ焼き大好き!!・・・・やない。ゴホッ・・・・ンンッ・・・・ 私は《天城 海埔》あまき みほ。よろしくね」 さっきの大阪弁は気にしないでね、と同じように握手を暁音に求めた。 (この人・・・・関西人?) 少し疑問を抱くが、といあえず彼女とも挨拶を交わした暁音だった。
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