第五巻

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「まぁ本当は後一人いるんだがなぁ・・・・」 零時がポツンと空いた椅子に目をやった。 それを聞いた他の紫苑達もうなだれる様に俯いた。 「だ、大丈夫!!私、妖怪に一回捕まったけど・・・・」 海埔がバッと席から立ち上がる。 「な、なんとか振り切って帰ってこれたから・・・・」 と、言い終えるとまた椅子に座りなおした。 それを見ていた暁音は頭にクエスチョンマークを浮かべて、海埔の方を見る。 (海埔さんが捕まって帰ってこれたのに、千尋さんが帰ってこれないっていうことはもしかして・・・・) 「とにかく、今はこの四人で妖怪払いを行っている。わからない事があったらこの四人かマスターに・・・・」 零時がマスターの方を指差した瞬間だった。 「皆、伏せなさいッ!!」 マスターが大扉を見ながらそう叫んだ。 慌ててマスターの視線を追い、扉へと目をやる5人。 その瞬間、ものすごい風圧と扉が大破する音と共に、その残骸と一つの“影”が5人に襲い掛かるように飛んでいった。
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