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走り去る彼女の背中を眺めながら、はぁっとため息をつく紫苑。
すると、それを見兼ねたように赤い犬が口を開いた。
「ややこしいことになったんじゃねぇのか?」
「うん。ブレイズ、やっぱ君もそう思うかい?」
「妖怪払い。基本的には一般人との交流は避けるように・・・・
いつも教わってきたことだろ?
少し可愛いからってハメを外すと後が怖いぞ?」
「下からパンツばっかり見てた喋る犬には言われたくないですね」
「なっ・・・・!!」
「まぁでもよかったですよ。あのまま放っておけば、彼女は憑かれていた妖怪に存在を消されていたところでしたから」
「ふんっ。都合がいい妖怪払いだこと」
「悪さをする妖怪や霊を退治して、人々から安全を守るのが妖怪払いの役目。
何か間違ってますか?」
「あぁ、教本通りだよ」
二人は軽く笑いあいながら来た道を引き返していった。
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