第一巻

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走り去る彼女の背中を眺めながら、はぁっとため息をつく紫苑。 すると、それを見兼ねたように赤い犬が口を開いた。 「ややこしいことになったんじゃねぇのか?」 「うん。ブレイズ、やっぱ君もそう思うかい?」 「妖怪払い。基本的には一般人との交流は避けるように・・・・ いつも教わってきたことだろ? 少し可愛いからってハメを外すと後が怖いぞ?」 「下からパンツばっかり見てた喋る犬には言われたくないですね」 「なっ・・・・!!」 「まぁでもよかったですよ。あのまま放っておけば、彼女は憑かれていた妖怪に存在を消されていたところでしたから」 「ふんっ。都合がいい妖怪払いだこと」 「悪さをする妖怪や霊を退治して、人々から安全を守るのが妖怪払いの役目。 何か間違ってますか?」 「あぁ、教本通りだよ」 二人は軽く笑いあいながら来た道を引き返していった。
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