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俺は階段を駆け上がり、廊下を走る。
しばらくすると『文芸部』と書かれたドアが見え、俺は迷わずそこへと入って行った。
「た、頼む、匿ってくれ、瑠璃(ルリ)!!」
そして、そのまま目の前の美少女・瑠璃に頼みこむ。
「え、えーっと……どうしたの、兄さん?」
長い瑠璃色の髪を膝下まで伸ばしてちょっとおどおどしている、この瑠璃という美少女は、正真正銘俺の妹だ。……つっても義理の妹だがな。
「今は説明している時間がない!変な男子達が来たら、『知りません』とか『向こうに行きました』とか言ってくれ!」
俺はそう言いながら机の陰に隠れる。瑠璃は不思議そうな顔をしていたが、曖昧にうなずいた。
そしてその数十秒後、
「失礼するぞ」
ノックもせずに、先ほどの男子の1人が入ってきた。
……全くもって非常識なやつらだな。……人のこと言える義理じゃないがな。
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