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「ここに男が来なかったか?」
「いえ、来てませんが……」
名もない男子の質問に、動揺せずに答える瑠璃。
……こういうところは似てないな、俺はすぐに顔に出ちまうし……。
「そうか。……忙しいところ失礼したな」
そう言って、そいつは出て言った。
しばらくして瑠璃が、ふぅ~、と息をつき、俺は机の下から這い出る。
「助かったよ、瑠璃」
「別にいいよ、兄さんのためだしね」
そう言って、瑠璃は天使のように微笑んだ。
……ちなみに瑠璃にもファンクラブがあるらしいが、……今の笑顔で何人堕ちたのだろうな。
「そ、それより兄さん……」
「ん、何だ?」
瑠璃は少し恥ずかしそうにして、俺に何か言おうとしてきた。
……ちなみに瑠璃には1つ欠点がある。それは――
「頭、撫でて欲しいな……」
「…………まぁ、助けてもらったしな。おいで、瑠璃」
「うん!!」
ちょっとブラコンが入っていることだろう。瑠璃が嬉しそうに近づいてくる姿を見て、俺はそう思った。
……まぁ慕われてるに越したことはないんだろうがな。
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