第1話

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俺は目立つのが嫌いだ、つーかめんどくさいのが嫌いだ。 だから幼い頃から、俺は自分のことを偽ってきた。 テストで良い点を取らなければ、親に期待されずに済む。 体育で良い成績を残さなければ、周りからも何も言われない。 そんな風に、俺は小一のころから考え、そして実行していた。……すげぇひねくれ者だと、自分でもそう思う。 まぁ、それは置いておくとして、だ。そんな風にしていた俺は、テストで平均点を取るのも簡単にできるようになってしまったわけだ。 体育の方はもっと簡単。皆の記録を見てからやれば良いわけだしな、楽なことこの上ない。 だが、俺はそのおかげで厄介なことに巻き込まれたことがない。……努力の賜(タマモノ)だな。 この時、俺はまだ甘く考えていた。こうやって平和な日々が続くのだと、楽観していた。 ……要するに、俺はやり過ぎていたんだよ。
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