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それはある日の出来事だった。
入学してから約1ヶ月。クラスにもだいぶ慣れたころに、それは起きた。
最後の授業……まぁ、自習だったんだがそれも終わり、俺は帰り支度を始めた。めんどくさいので、俺はどの部活にも所属していない。俺はいつも通り教室を出ようとして、
偶然にも4人の女子と目が合った。
そいつらはクラスを……いや、学年を代表する美少女達と言ってもおかしくないだろう。
赤い髪を腰まで伸ばし、そいつがいるだけで周りが明るくなりそうな雰囲気の美少女・紅葉美乃里(クレハミノリ)。
短い緑の髪を左右で縛り、いかにも活発そうな背の低い美少女・三崎星佳(サンザキセイカ)。
蒼い髪をショートカットにし、眼鏡をかけた、いつもパソコンを持ち歩いている美少女・東風千早(コチカゼチハヤ)。
ピンクの髪を伸ばし、いつも笑顔を絶やさない、天然な美少女・瀬川希(セガワノゾミ)。
4人ともファンクラブがあるほど人気で、そういうのに疎い俺でさえも知っている情報だ。
……まぁ、偶然目が合っただけだろうしな。こんな美少女達が『普通』の俺に用があるはずないし……。
そう思い、鞄を背負って教室を出ようとして、
「上神田君ー!私三崎星佳!これからよろしくねー!!」
三崎が離れた場所から、自己紹介にしては遅すぎる挨拶をしてきた。……たぶん、俺の日常はここから崩れ始めたに違いない。
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