好きな人

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一方、雪菜達は… 「……」 「……」 無言。 「………」 「………っ」 沈黙が二人を支配していた。雪菜は耐え切れずに声を出す。 「あの、僕の名前は粂川といいます、宜しければそちらもお名前を聞かせてくれませんか?」 「ん、ぁあ…柑南(カンナ)だよ」 「柑南さん、ですかいいお名前で…ピリリリリリリリリリ」 と、なにか言おうとした所で誰かの携帯が鳴った。 「あっ、あたしだ」 そう言うと柑南は持っていた携帯を出し、メールを始める。 携帯片手に素早くメールを打つ様はかなり絵になっていた。 赤の濃い茶髪。 それを肩にかかるか掛かならいといった所まで伸ばしている。 耳にはピアスの穴が開いていた。どこにでもいるような派手な感じの女子高生である。 「………あの」 雪菜は彼女に声をかけるが、雪菜の姿は柑南の眼中にはないようで、完全に無視されていた。
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