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「ぷぅー食べたぁ、ん、何?」
夕弥が皿の上を空っぽにして、ふと顔を上げる。
皆が夕弥を見つめていた。
「あのね、そろそろお開きにしようって、話ししてたの」
奈々が代表して答える。
「…おい…止めろよ」
松本は最後の希望に夢を託し、小声で夕弥に話しかける。
「いいよっ、お腹もいっぱいになったし、帰ろ」
しかし夕弥は二人の希望を呆気なく打ち砕いた。
彼女達の方もその声に便乗して席を立ち、
「じゃあね、今日はありがと」
「ど、どうもすみません」
「ばいびー」
そのまま喫茶店を出ていった。
「あ、ああぁあ…」
テーブルには男三人がポツンと残される。
松本はボー然と入口を凝視していた。
雪菜も頭を抱え、
「今回も駄目でしたか…」
落胆の声を上げる。
その一方で夕弥だけは…
「さぁーて僕達も帰ろうよ」
満足そうに口を緩めた。
結局、松本、雪菜、夕弥のお見合い“否”合コンは失敗という形で幕を閉じた。チャンチャン..
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