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日が暮れ、暗くなった公園。
吐く息も白くなる。
そんな肌寒い季節。
騒ぎ声はなかなか止まない。
夕弥は好きな人を暴露し、松本はその子を好きになった理由を聞き出そうと奮闘している。
雪菜はやれやれと肩を落としながらも、楽しそうに笑った。
――これは序章。
物語は今から、始まる。
「夕弥ぁ、いきさつを語れぇ」
「なんで?」
「俺達には知る義務がある」
「ないよ、そんなの…」
夕弥はため息をつく。
「僕も知りたいです、どうして“彼女”を好きになったのか」
「そうだぞ、どうして奴なんだ?よりにもよって…」
「なんかまた、ややこしいことになりそうですね」
今までの苦労を思い出し、松本と雪菜は空を見上げた。
奇しくも今日は満月だった。
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