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結局のところ、待つことしか選択肢がない夕弥と雪菜はため息混じりに肩を落とす。
目でコンタクトを取り、とりあえず食べる物でも頼もうということになった。
雪菜は店員を呼ぼうと入り口付近に目をやる。
と、その時、カランカラン、と扉が開き、女の子が数人中に入ってくるのが見えた。
「あ、来たみたいですよ」
「え、どれー」
メニューを片手に注文を決めていた夕弥も顔を上げる。
「本当か…あっ、こっちです」
松本は手を振って呼んだ。
それに気づいた女の子達も手を振り返し、ちょっと罰の悪そうな顔で近づいてくる。
「ごめんね、遅れちゃった」
「す、すすみません」
「電車遅れちゃてさ…」
入ってきた女の子は三人同時に謝罪を述べた。
そして椅子に座る。
「別に気にしてないよ、なっ」
松本は男二人に同意を求めた。
「そうですね、たいしたことはないです…」
二人共ちょっと緊張している模様。喋り方がぎこちない。
「えーとね、1時30分待ったよ」
しかし夕弥マイペース。自己流を貫いていた。…大物である。
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