第一楽章

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―… 「はい、えー…転校生の、早田京(ハヤタミヤコ)さん。みんな仲良くしてね。」 担任の女教師は、小学生に言うような口調で言った。 「じゃ、自己紹介してもらおうかな?」 転校生は、黙って僕を見ている…(汗) 「…。」 いつまでも何も言わない彼女に、担任は痺れを切らして笑いながら、「ま、いっか…じゃああなたの席は、あそこよ。」と僕の横を指した。 「おい雅也!アイツ隣りだぞっ!!」 「うん…」 音もなくゆっくり歩いて、彼女は僕の右側の席で、座った。 クラス一同、彼女をガン見していた。 当然だ。 彼女は、一言も発していない。 静かに…それでいて、圧倒的な存在感だ。
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