第一楽章

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僕の名前は石田雅也(イシダマサヤ)。 この春、高校二年になった。 僕の隣りを歩く彼女は、渡辺華音(ワタナベカノン)。 僕の幼馴染み。 僕の家庭は、いわゆる音楽家の家系。 父は偉大なピアニスト、石田修(イシダオサム)で、有名人。 母も有名で、マリア・セフィートというバイオリニストだ。 そう。僕は、ハーフだ。 にしては身長だって華音より低いし、瞳もみんなと違ってグレーっぽい。しかもねこっ毛で茶色いし、みんなと違うのがいやだ。 僕は自分がハーフという事が大きらいだ。 華音はそんな僕でもすいてくれてるみたいで、幼い頃から家に独りぼっちの僕の世話をやいてくれた。 華音は僕にとっては家族同然だ。
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